【新唐人2014年4月22日ニュース】昨年高騰した中国不動産市場とは打って変わり、今年の第1四半期は例年に比べ、上昇率が縮小しています。開発企業が様々な手段で販売促進活動しても市場の成長はスローダウンしたままです。今年、このまま価格が下落し続けると、中国の不動産市場は暴落するのか?中国国内の不動産価格の増減は裕福層にどんな影響を及ぼすのか?誰が不動産価格下落の最大の被害者なのか?専門家の分析を聞いてみましょう。
ウォールストリート・ジャーナルによると、3月の「中国開発フォーラム2014」において業界の専門家や学者らは、一、二線都市の不動産価格と三、四線都市は区別して扱うべきで、不動産価格の下落はバブルの崩壊ではなく、中国の不動産市場が暴落するはずはないとの見方を示しています。
中国の金融アナリスト・任中道さんによると、最近中国の不動産市場では様々な値下げ販売促進活動が繰り広げられており、不動産の見通しの暗さを物語っています。また一、二線都市の不動産価格と三、四線都市は区分して扱われているのは、需要の違いがあるからだと述べます。
中国金融アナリスト 任中道氏
「もし中共が不動産市場を崩壊させようと考えるなら、崩壊するでしょう。崩壊させたくないのなら、国家の力で紙幣の発行を加速化する、或いは財政や銀行でその穴を埋めるでしょう。中共の一貫したやり方です」
中国民間エコノミスト 鄭さん
「状況は非常に厳しく、不動産リスクは当初から多く現れていました。その暴落は複雑なシステムの崩壊です」
中国「財経網」によると、信用引き締めと自己居住型商品住宅政策の影響を受け、4月の第1週、3月31日から4月6日までの北京住宅市場での新築住宅と中古住宅の取引は2587件で、前年同時期よりも22%ダウンしています。
今年3月の北京の中古物件の成約価格は1平方メートル当たり3万1400元。前月比で0.6%ダウンしています。また、成約件数は8943件で、2009年以来、同時期の最も低い成約件数を記録しました。
「北京のバックガーデン」と呼ばれる河北省秦皇島市の不動産市場では、40%の値引きで投げ売りされているマンションもありました。大量の物件が売れ残り、ゴーストタウンの出現が憂慮されています。また、浙江省杭州市のあるマンションでも、100万元近く下落しています。
不動産価格が下落を続ける中、誰がこのバブル崩壊の最大の被害者なのでしょうか?
「財新網」英文電子版は西南財経大学が行った「中国家庭金融調査」の調査結果を引用して、不動産価格の下落は中産階級の家庭に大きな打撃を与えていると伝えています。
しかし、中国金融シンクタンク研究員、鞏勝利さんは、中国の中産階級の占める割合はそれほど多くないと述べます。
中国金融シンクタンク研究員 鞏勝利さん
「最も打撃を受けるのは貧しい人です。中国の貧困層は5億人前後です。その基準は一日当たりの収入が1ドル/人」「辛うじて生活を維持できている人たちを入れて、およそ5億人います。中産階級は3億人ほどです」
中国の民間エコノミストである鄭さんは、いわゆる中産階級は限られており、ほとんどの中産階級は社会の最下層であり、住居を買うのも自分で住むためであると考えています。
任中道氏は、不動産で打撃を受けるのは、おそらく本当に100万元以上の現金で住宅を購入した中産階級だが、彼らは依然として中国の経済体制下にある集団であると述べています。
中国金融アナリスト 任中道氏
「被害者はもちろん一般市民です。一夜にして50万元も値下がりした物件もあります」
では、中国国内の不動産価格の増減は、裕福層にはどのような影響を与えているのでしょうか?
中国金融アナリスト 任中道氏
「これらの人々への影響はさほど大きくありません。多くの金持ちは移民し 資産も移しています」
「全ての中共の特権階級は一般人よりも情報源や政策を捉えることに敏感で速いのです」
今年1月、胡潤研究院が公表した調査結果によると、中国の富豪が移民する割合は64%に上り、億万長者の3分の1が国外へ移住しています。
ウォールストリート・ジャーナル1月号は、中国グローバル化センター(CCG)の調査データを引用し、過去23年間の中国からの海外移民は128%増加したと伝えています。また、2011年までに2万8000億元の資産が海外へ移されており、これは当時のGDPの約3%を占めていました。中国人はすでにアメリカ第2位の海外不動産バイヤーになっています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/04/16/atext1103064.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/萩野 映像編集/田)